善光寺（ぜんこうじ）◎浄土真宗本願寺派

文保元年（1317年）、善興坊了遵によって開かれた約700年の歴史をもつ寺です。
当寺は麻布山善福寺の参道にある坊のひとつです。この善福寺は824年に弘法大師空海が創建した真言宗の寺でありました。鎌倉時代に至り、東国での約20年にわたる伝道から帰洛される親鸞聖人はここに立ち寄られ、お迎えなさった了海上人は親鸞聖人のお導きで、浄土真宗へと改宗されました。開基了遵はこの善福寺・了海上人の上足の弟子と伝えられています。
その時から江戸に至る記録は、空襲で焼失してもはや当寺には現存しませんが、江戸末期の攘夷事件に巻き込まれて殺害された米国公使館通訳官・ヒュースケンゆかりの寺であることが、代々言い伝えられています。朝日新聞社編の写真集「甦る幕末」にてそれらを見ることができます。